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2017年7月30日日曜日

『密会』の書き捨て原稿に描いた安部公房の落書き(2/3)

『密会』の書き捨て原稿に描いた安部公房の落書き(2/3)

原稿そのままに上掲します。

原稿用紙には、安部公房といふ名前が、この写真には写つてをりませんが、左半分の左隅下に印字されてをります。安部公房専用の特註の原稿用紙です。

あと一つありますので、これも適宜上掲しますので、お楽しみに。

二つ目の落書きは、もぐら通信第64号に掲載しましたが、pdfに変換するので、線の輪郭が少しぼやけた感じがありますので、再掲します。これで、明瞭な輪郭線の落書きを見ることができます。

安部公房は、密会』を書きながら、この落書きをしながら、何を考へたものか。



一つ目の落書きについては、次のURLへ:

2017年7月29日土曜日

もぐら通信第64号を、お届けします

もぐら通信第64号を、お届けします。


               目次
0 目次…page 2
1 ニュース&記録&掲示板…page 3
2 『密会』の書き捨て原稿に描いた安部公房の落書き(2/3):安部公房…page 20
3 詩三題『変形譚』『デンドロカカリヤ』『ふるさと』:柴田望…page 22
4 横顔に満ちた人ー安部公房:岩田英哉…page 26
5 リルケの『オルフェウスへのソネット』を読む(9)~安部公房をより深く理解するために~:岩田英哉…page 49
6 Mole Hole Letter(1)…page 53
7 連載物・単発物次回以降予定一覧…page 55
8 編集後記…page 58
9 次号予告…page 58


季節外れのあなたの巣穴で、安部公房とのひと時をお過ごし下さい。

岩田英哉

もぐら通信

2017年7月27日木曜日

2017年7月3日月曜日

もぐら通信第63号(第二版)をお届けします


もぐら通信第63号(初版)につき、誠に申し訳柴田望さんの詩『プラン』の後半が欠落してをりましので、下記の通り全文を掲載し、第二版としました。



プラン


橋が見える場所で
川沿いの街灯が見える場所で
車を停めて
飲み物を買ってきて
やっと二人きりになって
溶けていく時間の彼方や
設計される未来の破片へ
おたがい
の家族や過去
の同僚が囁く
わたしにとって〈大変〉なことは
あなたにとって〈大変〉じゃない
おたがいさま
の境い目が薄くなる地点に誘って
老いることのない死者たちの視線に曝され
ずっとこのままで居たい地点に
満ちていく差異を埋めようとせず
この沈黙に耳を傾け合うかぎり
誰にも知られていないことはぜんぶ
誰かに知られます
その日が訪れることを
初めて行われることはぜんぶ
遠い昔にした気がすると
誓いもせず

(北海道新聞《日曜文芸・詩》 平成29年4月30日)