もぐら通信第63号(初版)につき、誠に申し訳柴田望さんの詩『プラン』の後半が欠落してをりましので、下記の通り全文を掲載し、第二版としました。
記
プラン
橋が見える場所で
川沿いの街灯が見える場所で
車を停めて
飲み物を買ってきて
やっと二人きりになって
溶けていく時間の彼方や
設計される未来の破片へ
おたがい
の家族や過去
の同僚が囁く
わたしにとって〈大変〉なことは
あなたにとって〈大変〉じゃない
おたがいさま
の境い目が薄くなる地点に誘って
老いることのない死者たちの視線に曝され
ずっとこのままで居たい地点に
満ちていく差異を埋めようとせず
この沈黙に耳を傾け合うかぎり
誰にも知られていないことはぜんぶ
誰かに知られます
その日が訪れることを
初めて行われることはぜんぶ
遠い昔にした気がすると
誓いもせず
(北海道新聞《日曜文芸・詩》 平成29年4月30日)
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