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2015年9月27日日曜日

安部公房の好物「松蔵のスイートポテト」を発見


山口果林著『安部公房とわたし』に出てくる(同著「食生活」、126ページ)、「小田原のデパートで買い物をするときに安部公房が必ず買うものがあった。「松蔵のスイートポテト」だ。」とある、松蔵のスイートポテトを、今日、偶々乗り換えた大船駅構内で見つけたので、ひとつを買い求め、ここに上梓するものなり。

これは、芋の重さによって値段が違うという、全く芋次第の独自(original)のスイートポテトです。わたしの贖(あがなつ)たのは、421円のもの。それが、これなり。写真でうまく量感が伝わるものかどうか。大きいものです。





国内はもとより、海外まで店がでてゐます。次のホームページにて、お近くの松蔵の店をご覧あれ:

安部公房の受賞歴・候補歴一覧と芥川賞受賞時の選者の選評一覧

安部公房の受賞歴・候補歴一覧と芥川賞受賞時の選者の選評一覧

安部公房の受賞歴・候補歴一覧が、ありましたの紹介します。これは、候補になった賞も入っているので、意外に貴重な一覧ではないでしょうか。安部公房のWikipediaにも、これだけ詳しくは書かれていません。

http://homepage1.nifty.com/naokiaward/akutagawa/jugun/jugun25AK.htm

クリックすると一覧が大きくなります。



また、芥川賞受賞時の選者の選評も貴重な情報だと思いましたので、以下に掲げます。

http://homepage1.nifty.com/naokiaward/akutagawa/jugun/jugun25AK.htm

『風博士』といふ、一種ナンセンスの作品を書いた坂口安吾が選者であって、否定的な評価をしているといふのは不思議だ。勿論、それは、シュールレアリスムの作品ではないけれども。

また、巷間いわれている川端康成と瀧井孝作のみならず、丹羽文雄と船橋聖一も褒めてゐるのは、やはり、『S・カルマ氏の犯罪』は素晴らしい作品だといふことでありませう。異なる種類、異なる質の選評者たちが、この作品を褒めてくれてゐるといふのは、嬉しい。

クリックすると一覧が大きくなります。



安部公房の「Naverまとめ」を見つけた



ネットで、安部公房の「Naverまとめ」を見つけたので、ご紹介します。


安部公房の情報が集められています。

この中に、『密会』を「安部公房が晩年に書いた、文学を装ったエロ小説」と言った批評があつて、これは当たっていると思いました。

『密会』は、谷崎純一郎が晩年書いた『痴人の愛』や『瘋癲老人日記』に当たるのかもしれないと考えることは、実に楽しい。正直にして複雑なる安部公房。

様々な受賞した賞の名前も列挙されています。

主なものだけでも、戦後文学賞(1950年)、 芥川龍之介賞(1951年)、 岸田演劇賞(1958年)、 読売文学賞(1963年・1975年)、 谷崎潤一郎賞(1967年)、 フランス最優秀外国文学賞(1968年)、 芸術選奨(1972年)などを受賞している。

これを読むと、安部公房は谷崎潤一郎賞を1967年(昭和42年)に受賞しています。やはり、谷崎とのご縁はあるのです。

これは、第3回谷崎潤一郎賞で、 戯曲『友達』で受賞したものです。


2015年9月26日土曜日

もぐら通信第37号(第二版)をお届けします



初版の編集後記に誤記あり、訂正を致しました。

あらためて、第二版をお届けします。

初版は破棄して、下記のものに差し替えて下さい。

お手数をおかけします。

(これ以上の訂正はありませんので、ご安心下さい。)

では、よき週末をお過ごし下さい。

https://ja.scribd.com/doc/282774568/第37号-第二版


もぐら通信

もぐら通信第37号を発行しましたので、お届けします



もぐら通信第37号を発行しましたので、お届けします。

【第二版を発行しましたので此のURLへ:https://ja.scribd.com/doc/282774568/第37号-第二版


目次は、次の通りです。

0 ニュース&記録&掲示板
1 目次
2 安部公房を巡る想い出(連載第6回):中田耕治
3 カメラに首ったけ 趣味だと思っていました:安部ねり
4 九堂夜想十四句:九堂夜想
5 特集:安部公房と成城高等学校(連載第2回)
6 ABE日誌5『愛の眼鏡は色ガラス』初演を観に大阪から東京へ夜行列車で:滝口健一郎
7 安部公房の「クリヌクイ」の詩の大陸文明論的考察
8 リルケの『形象詩集』を読む(連載第6回):岩田英哉
9 編集者通信:奉天の窓から日本の文化を眺める(3):紐
10 編集後記…page 59
11 次号予告… page 59

【第二版を発行しましたので此のURLへ:https://ja.scribd.com/doc/282774568/第37号-第二版

では、今月も、あなたの巣穴で、安部公房との佳きひと時を。


もぐら通信

2015年9月22日火曜日

もぐら通信(第37号)の目次が決まりましたので、お知らせします。



もぐら通信(第37号)の目次が決まりましたので、お知らせします。

発行は、9月27日(土)です。

0 ニュース&記録&掲示板 
1 目次
2 安部公房を巡る想い出(連載第6回):中田耕治
3 カメラに首ったけ 趣味だと思っていました:安部ねり[許可の下り次第]
4 九堂夜想十四句:九堂夜想
5 特集:安部公房と成城高等学校(連載第2回)
6 ABE日誌5:滝口健一郎
7 Kobo Abe, 68, the Skeptical Poet Of an Uprooted Society, Is Dead
8 安部公房の「クリヌクイ」の詩の大陸文明論的考察
9 リルケの『形象詩集』を読む(連載第6回):岩田英哉
10 編集者通信:奉天の窓から日本の文化を眺める(3):紐
11 編集後記

12 次号予告

2015年9月11日金曜日

〖書評〗 砂の女 // 安部公房 〖トドメの1冊!〗: YouTube


〖書評〗 砂の女 // 安部公房 〖トドメの1冊!〗: YouTube

「読書家(自称)の神保洋平がお送りするブックレビュー番組、その名も〖トドメの1冊!­〗」というキャッチコピーのあるJAPANIVISTAというチャンネルをお持ちの方の書評の動画です。

この書籍レビュー番組で、安部公房の『砂の女』を取り上げていらっしゃいます。。


東京農業大学農友会演劇研究部による『友達』上演


東京農業大学農友会演劇研究部による『友達』上演

東京農業大学農友会演劇研究部 ‏@nodaigekiken 9月8日より。:

10月公演の情報が解禁されました!

東京農業大学農友会演劇研究部
平成27年度10月冷たいぬくもり公演
『友達』
作:安部公房
演出:菅原遥奈

【日時】10月8日(木) ~10月11日(日) 

皆様のご来場をお待ちしております!



とのことです。

ここで、練習風景が動画で見られます。:


東京農業大学農友会演劇研究部のTwitterのアドレスです:

このTwitterに、

「友達」として振る舞い、隣人愛を唱え続ける彼らに戸惑い、怒る男に家族はこう告げる。
「だってあなた一人ぼっちでおいでなんざんしょう」
そして男は徐々に家族の空気にのまれていく…

とあるところをみますと、これは『友達』の正確なる上演ではなく、脚本に手を加えたものであると思はれます。



2015年9月9日水曜日

三島由紀夫の十代の詩を読んで、安部公房の詩について思ふこと


安部公房の読者のひとりとして、三島由紀夫の文学の世界へ足を踏み入れて判ることは、三島由紀夫は詩人であるので、何か決定的なことを云はうとすると隠喩(metaphor)で云ふ以外には、手段を知らず、言葉を知らないといふことである。

自分が何故死ななければならないか、それも何故切腹といふ形式で死ななければならないのか、それも何故古式に則らずに、浅くではなく、深く自分の腹を刺さねばならないのかは、最晩年43歳のエッセイ『太陽と鉄』に林檎論として率直に書いており、その前段で同じ林檎論を30歳のときのエッセイ『ワットオの《シテエルへの船出》』にやはり不可視の林檎論として書いてゐるのです。

しかし、自己の生死に関わることを林檎といふ譬喩(ひゆ)を以つて語る以外にはないのです。これが、三島由紀夫が何歳になつても詩人である由縁であると、わたしは思ひます。

もし、この林檎論を散文で書けば、それは『太陽と鉄』『日本文学小史』『文化防衛論』といふ、謂はば3部作になつて、展開してしまひ、ひらいてしまふのです。

詩は、ドイツ語のdichtenといふ動詞が示すやうに、凝縮(compression)ですから、三島由紀夫は、どうしても隠喩を使はずにはゐられないのです。

と、このやうに考へてみますと、安部公房も生涯詩人でありましたから(何しろ小説には詩が挿入されるといふ、古代から連綿と続く歌物語を書いた作家ですから)、かうしてみますと、晩年のクレオール論といふ言語論もまた同様に、これは安部公房の詩(die Poesie)、ポエジーなのだといふことが判ります。

更に思へば、安部公房のエッセイのほとんどは、散文詩と言つて差し支へないといふことに気づくのです。

2015年9月6日日曜日

もぐら通信第36号(第三版)をお届けします。



もぐら通信第36号にご寄稿戴いた滝口さんの文章の一部に、
題字の数字その他本文に不備あり、第三版をお届け致します。


何度も恐れ入ります。

これが最後です。

では、よき日曜日の一日を。


もぐら通信

2015年9月5日土曜日

中田耕治さん若き安部公房を語る10:安部公房とカフカの出逢い


中田耕治さん若き安部公房を語る10:安部公房とカフカの出逢い


中田耕治さんが、安部公房とカフカを、安部公房は中田耕治さんとジイドを交換した話を書いていらつしゃいます。

同時代に真剣に生きるということが、よく、ひしひしと、最後の2行に伝えられていると、わたしは思いますが、あなたは如何に。