安部公房『密会』を通じて小説を如何に読むか?
先日行われた東京・安部公房・パーティー(通称TAP)主催による読書会で、課題図書『密会』を読んでの感想に、実にいい、安部公房の読者らしい読み方と、安部公房の小説とは(読者の側からみて)如何なるものかを書いたブログがありましたので、ご紹介します。
この論者の目次は、次の通りです。
『密会』は目的をもって読むと辛い
明確な敵が居るのは古典的ハリウッド映画の文法
前衛は古典があっての存在
『密会』は前衛的ではない面白さ
・聴覚が欲望をよく刺激する
・盗聴による監視社会
・盗聴ビジネス 面白いエピソードの積み重ね
1つの物語に1つの一貫したテーマ性や、主人公を中心とした1本の物語が存在するに違いない、と思い込まない読書方法があるのだという結論は、全くその通りですし、文中の「目的をもって読もうとせずに、楽しむのが正解ではないか?」という参加者の意見も、その通りではないでしょうか。
安部公房の読者であることの楽しさを思い出すためにも、一読をお勧めします。
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