先日の笛井事務所による『友達』再演の稽古場の訪問記を、先月号(第24号)のもぐら通信に書きましたが、あと気がついて、ひとつ書き漏らした大事なことを補記します。
『友達』や『闖入者』という作品に出て来る旅する擬似家族という主題は、リルケの『マルテの手記』に出て来ます。
この擬似家族という主題は、そのあとも安部公房の小説に繰り返し、表立ってはいなくとも、出て来るものです。
安部公房が10代で、リルケをどのように読み、換骨奪胎したかということを考えると、その読みの凄まじさに驚く以外にはありません。そうであればこその、後年の安部公房が居るのです。
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