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2016年6月11日土曜日

『箱男』で読み解く未来のテクノロジー:安部公房『箱男』とVR

『箱男』で読み解く未来のテクノロジー

2016年7月の増刊号(第23号)として、雑誌WIRED」に、川田十夢という筆者による見開き2ページの連載の第1回を、安部公房が飾りました。

この文章は、メディア論、媒体論です。この着眼と『箱男』という小説は、本来実に相性が良いものです。この面白い筆者については、次のWikiがあります。AR三兄弟の長男ということです。この3兄弟もまたVRの創造です。:https://ja.wikipedia.org/wiki/AR三兄弟

また、この筆者の仮想現実についての考え方の一端は、次のウエッブページで知ることができます。:

さて、この寄稿は、題して『VRと「箱男」』。VRとは、文章の中を読みますと、Virtual Reality(仮想現実)の意味です。

見開きの左のページにあるこの安部公房の絵は、他に画家の名前がないので、この筆者の自作でありましょう。




以下、出版社のホームページの文章より抜粋をしてお伝えします。(http://wired.jp/magazine/vol_23/

Way Passed Future
川田十夢の「とっくの未来」 文学から読み解くテクノロジー
開発者・川田十夢が、過去の文学作品から「ジャンル分けされる前の未来」を読み解く新連載。川田が第1回目に選んだのは、安部公房の小説「箱男」。1973年に書かれたこの小説に隠された、VRの未来を知るための手がかりとは?

また、同誌の出だしと最初と最後の段落を引用して、お伝えします。

「メディアの実質は、合法的なのぞき趣味にすぎない。新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、インターネット。のぞき穴から一方的に放たれるイメージは、われわれの想像力を満たし、もしくは時間ごと奪い、結果として一時の恍惚を提供する。成熟したメディアは、やがてモラルを求められ、本来の輝きを失ってゆく。現在の混沌を報じられなくなったメディアなど、色彩をインクルードできないプログラム言語など、退屈を寂しいと直訳するしかないわれわれには無価値である。」

「箱男が、箱の内側に何かを書き込むとき、皮膚の内側に刺青を入れるような恍惚があったに違いない。夢のような体験も、二度と見たくない悪夢も、もれなく書き込める余白が必要だ。ただ用意すればいいという話ではない。余白を十分に確保しておくこと、書き込まれたことを単なる落書きと軽視しないこと、それが魅力あるメディアとしてのVRにつながること。安部公房の『箱男』から、新しく読み取れたこと。」

アマゾンで買うこともできます。Kindle版は540円、紙媒体は630円:





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