人生は夕方から楽しくなる、と題して、山口果林へのインタビュー記事がネット新聞に掲載されています。
以下、同新聞より:
「語るほどに美しく、語るほどに若くなる不思議な人。5月で69歳になった。3で割った23と縁がある。素数の23が人生の節目となってきた。
(略)
安部氏が亡くなって23年が過ぎ、彼が死んだ年齢を超えた。生前と死後。同じ23年でも、時間の重みはやや違う。「やっぱり私が若かったのもあるのね。ともにいた23年は濃密で、今の時間の倍も生きたって思う」。死別後の23年は軽いのか。「うーん、そうでもないか。やっぱり濃かったかも。でも、本を書き上げてからが早かったなあ」
(略)
「私、(劇団)安部公房スタジオの看板女優だったのに、彼の死後、追悼パフォーマンスや研究会に一切呼んでもらえなかったんです。愛人だったことなんか関係なく、スタジオの主要メンバーだと認めてくれていたら、本を書かなかったと思うんです。そんなことで動揺する自分がいて、友人に『書かなければ、とらわれたままだよ。自分の人生を取り戻しなよ』と言われ……。書き上げたらスコーンと楽になって、全て過去のものになったって感じがして。それからは、あっという間に時間が過ぎちゃったって感じです」
(略)
次の23年で、隠された愛ゆえの深い葛藤と結びつきを表現する機会がありそうだ。本に書かれなかった、より具体的なエピソードも読みたい気もする。水を向けると、「細かいこと忘れちゃったよ。その部分は、もういいっすよ」。あんちゃん風の言い方で、顔をしかめてみせた。【藤原章生】」
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